野球小僧
石川県七尾市はアマチュアの野球が盛んだった。父が「尾湾倶楽部(びわん くらぶ)」という七尾市内の野球好きの有志で作っていたクラブチームに深く係っていた関係で小さい時から野球をして遊んだ。
「尾湾倶楽部」と磐城セメント七尾工場のチームとは好敵手同士で町の野球好きが二派に分かれて応援した。もちろん私は尾湾倶楽部の応援をした。
七尾の御祓(みそぎ)小学校から御祓中学に進み野球部に入部した。当時御祓中学は石川県下一、二を争う野球が強い学校だった。上級生の練習は厳しく、下級生は玉拾い!といった感じでいきなり大人の世界に放り込まれたような気持ちになった。朝早く、バットの素振りをし、壁にボールを投げ、1人で朝練をし、いつかレギュラーになり、県大会に出るつもりでいた。