シャルウイダンス? “Shall we dance?”

ブロードウェイで観たミュージカル Dancin' のプレイビル
ブロードウェイで観たミュージカル Dancin’ のプレイビル

ダンスのバイイングシステム

ダンスを習い始めて20年になる。今日までのダンスと私についてJWTでいうバイイングシステムに沿って話してみたい。

趣味を持つきっかけ(きっかけ)

若い時から始めたゴルフ、40歳代で健康維持のためにジムに通うようになったこと以外、趣味として挙げられるものはなかった。ゴルフはビギナーの頃にレッスンを受けなかったという致命的な誤りで、「たられば」のアベレージゴルファーの域を出ず、ジムトレも水泳か、筋トレに汗を流すにすぎなかった。周りにはインストルメンタルな友人がピアノ、ギター、ベース、ビオラなどの楽器をやる、またジャズボーカルをやる、絵画、彫刻、陶芸といった創作活動をする人など多士彩々であった。何かこれならという趣味を持ちたかった。

なにがいいか?(考える)

私は子供の頃、油絵を描くため、素描とデッサンを習っていたが経済的な事情で中止し、諦めたいきさつがあったのでもう一度、絵を習うことは有力な趣味のオプションだった。

子供の頃映画で観たフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの華麗なダンス、ロンドンにいたときBBCのTV中継でみたプロのダンス世界選手権、1981年にブロードウェイで観たボブ・フォッシーの「Dancin’」などダンスへの憧れもあった。

絵画かダンスか?(調べる)

決定的な外的要因がダメを押した。当時私はカールソン カンパニーズの日本法人のマネージメントを担っていた。カールソン カンパニーズはプライベートカンパニーで傘下にカールソン ホスピタリティーグループというホテルマネージメントとクルージング船の運営をビジネスとする会社があり、グローバル マネージメントイベントとしてクルージングに行く可能性があった。

船の旅はいろいろなイベントがあり、ダンスパーティーも重要なイベントとして組み込まれる。いつ親会社の声がかかるか分からないから “Shall we dance?” とお誘いするくらいは出来なければと思った。踊れなくて男の「壁の花」(ダンスが出来ないか、相手がなく、壁際でダンスを見物せざるをえない人を指す。通常は女性)にはなりたくなかった。

選択の余地はなかった。ダンスを習うことにした。

どこで習うか選ぶまでもなかった!(選ぶ)

当時は目黒に住み、職場も恵比寿。近いところがよかった。五反田に助川ダンスという国内有数のダンススタジオがあった。目黒と五反田の中間にあり山手線の電車から見える。映画「シャルウイダンス?」のモデルになったスタジオである。日下部民代が物憂げな顔で窓辺に立っていたシーンを覚えている。(このスタジオの先生方がダンスシーンの指導をしたそうだ。)

最も信頼できるダンススタジオが職住近くにあったのだ!

(後に武道館でプロの世界選手権を観た。その時世界チャンピオンになったクリストファーホーキンスさんとヘーゼルニューベリーさんが助川ダンスのスタジオにいらして日本の若いプロダンサーを指導されている。私がレッスンを受けている1階上でお二人がいると思うとドキドキした。)

助川ダンスで何を習うか?(買う)

なんとなく敷居が高く、申し込みを躊躇していたが意を決し、申し込んだ。1997年のことである。
初心者を教える先生の空きがなく、ベテランの先生が担当してくれた。(後から、いい先生に習えて幸運だったと痛感した。)

週一回、土曜日にまず30分。ブルースから始まり、よちよち歩きが始まった。ボックスのステップを踏むワルツからタンゴへと少しづつ基本に慣れていった。ジルバからルンバと進んだところで先生のアドバイスもあり、「スタンダードダンス」(ワルツとタンゴ)を選ぶことにした。ラテンダンスもセクシーでいいがワルツとタンゴが好きだったし、優雅に踊りたいという気持ちにピタリだった。

レッスンは週1回1時間となった。

ダンスを経験する楽しさ。(経験)

助川ダンスにはおさらい会「クリエイティブパーティー」という先生と生徒が練習の成果を発表する機会が年3回ある。1回、約30組程の出演がある。1997年に始めたダンスを発表するまでには時間がかかったがある程度自信が持てるまで人前で発表しない事にしていた。

養母は長く民謡を歌っていた。大会に出て賞を取るほどだった。彼女曰く「習い事はおさらい会にでないと上達しない」と。養母のアドバイスにしたがって、2009年からおさらい会に参加した。回を重ねると課題と目標が少しずつ分かってくるようになる。

養母にはまた「民謡を完璧に歌えたことは今まで2回しかない」と言われた。失敗は当たり前だということだ。緊張が取れ、ダンスが一層楽しくなったのは言うまでもない。

shall-we-dance-2年3回のおさらい会の他に年2回「春秋会」というホテルのBall Roomで開催されるダンスの発表会がある。親しい友人から先送りしないで出るべしと背中を押され、1年の集大成として2012年から年末の春秋会に参加している。

燕尾服を着て一年の成果を披露するわけだ。今年は5回目の春秋会。一年の成果をタンゴで発表する。

ところで生徒さんに94才になる方がいらっしゃる。しっかりとダンスをされている先輩である。私がダンスを始めて今年で20年。ダンスは分け入っても、分け入っても青い山!先輩を目標に次の20年を一歩一歩より高いレベルのダンスができるよう精進したい。

経験のステージの長~い私のダンスのバイイングシステムはまだまだ続く!

注:「消費者のバイイングシステム」はJWTが消費者の購買のプロセスを考察する際用いる独自のプランニング手法。


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