ロンドン
1980年頃の話になりますが、ロンドンに住んだことがあります。
ロンドン南西部のウインブルドンに近いパトニーはコモン(共有地)に囲まれた自然が豊かな地域です。その自然を楽しむために住民はコモンの地代を払って共有してきました。
そのため、今日まで何百年も同じ広大な原野が残せたのだそうです。
パトニーコモン
パトニーコモンは広大で素晴らしい散歩の場所でした。
野生の草木の間を縫う道を週末には犬を連れてよく散歩したものです。
春には藪から野うさぎが飛び出してきたりしました。
散歩のあと、近くのアッパーリッチモンド通りにある「アラブ・ボーイ」というパブに行きビターを啜りながら近所の常連と週末の一時を過ごしたものです。
飾らない静かな時間の過ごし方は恐らくはビレッジの人々が何世代にもわたって楽しんできたやり方なのでしょう。
便利な東京の生活になれた私には少々不便でも、自然の良さを大切にする彼らのライフスタイルは清々しく、貴重な体験でした。
何年経ってもコモンと住民の自然の楽しみ方は変わっていないはずです。
100年以上も変わってないのですから。
そんなロンドンが好きです。