スタウトといえばギネス
アーサー・ギネスが1759年に創業したギネス社は、JWTロンドンの主要クライアントであった。
アイルランド生まれのギネス。
濃い琥珀色でクリーミーな泡立ちは独特の味であった。
「GUINNESS IS GOOD FOR YOU」というヘッドラインは長く人々の心に残った。
ガーナのエンクルマ大統領がこのコピーを信じて、ギネスを愛飲したという逸話がある。
ギネスの広告
ところでギネスのブランドの個性を語る素晴らしい広告がある。
まだ広告がモノクロの時代だったがかえってそれがギネスの個性を際立たせている。
人物は一切登場させず、ライフステージの推移を表し、成熟した大人になると静かにギネスを飲むというギネスのブランドパーソナリティーを表している。
ブランディングは長期に渡って培われていくものだが1980年代まで静かに飲む、大人のギネスの広告はいろんなキャンペーンの形を取りながら継続されていった。
オオハシ鳥のキャラクター
ユーモアに溢れた 静かなオオハシ鳥(”Toucan” ギネスの広告の中で泣き声を聞いたことがない。大きな嘴にいつもなみなみとつがれたギネスのグラスを乗せている)を使ったギネスの広告は人々に愛され、JWTロンドンの誇りだった。
1990年代前半、ラガービールに慣れている若者を取り込むための新製品を出すことになる。ギネス エキストラコールドで、もう少し冷やして飲む、のど越しを良くした姉妹品だ。
そのころの広告は知らないが恐らく 静かな Toucan はギネスブランドの顔として引き続き使われたことだろう。
ところで広告マンは広告を信じやすい!
1981年にギネスは「Bottled Guinness Supporters Club」というキャンペーンを大々的に打っていた。それもあってか私はドラフトギネスよりボトル入りのギネスが好きだった。
また、ちょっとぜいたくなギネスの飲み方としてギネスとシャンパンを50:50で割る「ブラック ベルベット」がある。
静かに贅沢な一杯を楽しむひととき。
まさに、GUINNESS IS GOOD FOR YOU である。