天ぷらの「富士」と甘味の「越後屋」、浅草らしい職人の店

富士の店頭
天ぷらの「富士」

浅草の食べ物屋さん

浅草の好きな所・食べ物の話は尽きない。

観音通り、新仲見世通りから、仲見世を抜け、伝法院通りに折れるあたりは若者が行列する甘味屋、メンチカツ店、メロンパン屋、アイスクリーム屋、たい焼き屋などが軒を連ねている。休日は若者や外国人旅行者が大勢おしかける。

彼らからすれば当たり前なのだろうが、立ち食いをして大声で立ち話をして通りを遮る彼らの所作は、子供の頃のしつけからすれば私には違和感がある。

こうした喧噪の仲見世界隈を離れた、若者や外国人旅行者があまり来ない西浅草の隠れた名店を紹介したい。西浅草は国際通りと合羽橋道具街の間の地域。西浅草2丁目、3丁目、4丁目はまだまだ知られていない浅草ならではのところがある。

国際通りの中ほどに浅草ビューホテルがある。ビューホテルの左の横丁を入ると静かで職人気質の浅草らしい店がある。

天ぷらの「富士」

土地の人が贔屓にするてんぷらの店。昼は11時半から14時まで。夜は予約だけ。
ご主人が客の注文を受け揚げ始める。昼は上天丼、アナゴ丼、かき揚げ丼とドンブリ物、天重が主。

富士の天丼
私達は上天丼が好きだ。エビ、アナゴ、かき揚げと季節の野菜が入った天丼。

赤出し味噌汁と香の物がつく。
厚く、重い店の引き戸を開けるとレトロな店のただづまいが広がる。

5人位座れるカウンターにワンテーブルの椅子席と小上がりがある。

静かだ。

というのは注文の天丼が運ばれると無口になる!
美味しい!

浅草にはゴマ油で揚げた有名店があるが私には重い。
私はたっぷり食べても胃に持たれない富士の天ぷらが一番だ。
しかも1,200円!

また揚げた天ぷらの天かすが袋詰めされて置かれている。
無料で持ち帰りできる(1人一袋)。冷やし狸ソバに、ここの天かすがピタリとのご主人のお勧めだ。

ご主人自筆の品書きは毛筆で達筆だ。絵もいい。
静かにお昼の天丼を楽しめる粋な店だ。

甘味の「越後屋」

「富士」の先に甘味屋の「越後屋」がある。

店で手作りの大福、みたらし団子、おはぎ、おにぎり、鯖寿司、エビ巻、イカ巻、かんぴょう巻、たくあん巻を売っている。

「越後屋」の手作りの品はどれもおいしい。
エビ巻がお勧めという人もいるが私は何と言っても大福もち。

越後屋豆大福
朝、撞いた餅でつくる。

昔懐かしい歯ごたえのしっかりした、コシのある餅で作られた大福は大きく美味しい。
つぶしあんとこしあんの2種類あるが、つぶしあんの豆大福が最高!
あんこは控えめの甘味で餅とのバランスがいい。

お店では販売のみで買って持ち帰るしかない。
色々見繕って、お昼にしたり、差し入れにしたり、また天気の良い日に隅田川のピクニックランチのお弁当にいい。

大福は昼前に品切れになることが多い。

合羽橋商店街通りに姉妹店、「新越後屋」がある。
こちらは和食の小料理屋。
もちろん、店頭には「越後屋」の手作り商品がウインドウに並ぶ。

「富士」も「越後屋」も昔ながらの手作りでお店をやっている。
「富士」はご主人と奥様と女性がもう一人。
「越後屋」も家族3~4人。

どちらも職人のこだわりの昔ながらの、売らんかなではない控えめな職人気質の商いだ。

浅草はこうした浅草の職人気質の伝統と、新しい商いの試みが進行形の街だ。
職人のこだわりはこうした新しい街づくりに生きている。
浅草に住み、浅草らしさを満喫するのが何よりたのしい。
浅草らしい職人気質の店を探すことが私の浅草散歩の楽しみの1つだ。

浅草の良さは奥深い。


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2018年5月21日 天ぷらの「富士」と甘味の「越後屋」、浅草らしい職人の店 はコメントを受け付けていません 浅草