My Favorite Things – お酒の話

好きなお酒の種類、好きなブランドは千差万別ミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック』の中で歌われた My Favorite Things は、美しい歌詞の私の好きな歌だ。80歳を過ぎた今でも心に残る名曲である。
My Favorite Things のうつくしい歌詞はさておき、私の好きなものの話をしたい。と言えばお酒。好きなお酒の話をしたい。好きなお酒の種類、好きなブランドは千差万別。人それぞれだし、飲む時間、場所によっても変わってくる。
好きなビールの話
ビールは酒を飲み始めてから最も長く飲んできた酒だ。目黒に住んでいた時は、近くの恵比寿にサッポロビールの醸造所があったので親しみを感じ、冷えたサッポロビールを飲んでいた。
ロンドンに移り、初めてエールビールのビターを飲むようになった。はじめはギンギンに冷えたラガービールに慣れていた私には、常温に近いビターになじめなかったが、慣れるとそのモルトの甘味とコクが豊かでまろやかな味わいは、まさに目から鱗が落ちる美味さ。新しいうまさの発見だった。
あまり冷やさないからこそ楽しめるデリケートな味わいだ。ビターの味わいを損なわないよう、パブでは近くの醸造所から馬車で木樽に詰めたビターを運んでいた。振動を与えて味が損なわれることを避けるためだそうだ。
行きつけのパブで地場のビターを飲むのが楽しみだった。パブによって仕込んでいるビターが違うから、ビターのブランドを意識していなかった。おいしさはパブ任せということだった。パブの名前を憶えていても、ビターのブランド名は記憶にない。
2年間生活したロンドンから、パブもビターもない東京に帰国し、またギンギンに冷えたラガービールを飲むことになった。東京にはパブもなければビターもなかった。“Pint?”(一杯飲む?)と仲間とパブに出かけ、ビターを飲んだのはなつかしいロンドンの思い出だ。
私は現在浅草に住む。近くの吾妻橋にアサヒビールの本社があり、馬車で運んでくるわけではないが、アサヒビールが旨いと信じスーパードライを飲んでいる。乾杯!
好きなジンの話
ジンが生まれたのは11世紀のイタリアとも、17世紀のオランダともされている。ジンをイギリスに持ち込んだのは、1698年にウイリアム3世がオランダからイギリスに国王として迎えられたときだそうだ。しかし、ジンが本格的に飲まれるようになったのは20世紀になってからで、2018年にはウイスキーを超える消費量になった。
ジンはロンドン・ドライ・ジンが主流で、タンカレー、ゴードン、ボンベイ・サファイア、ビーフィーターなどが主なブランド。純度が高く、ジュニパーベリーや柑橘系のさわやかな香りが魅力で、カクテルベースとして愛されている。
サー・ウインストン・チャーチル卿は、エクストラ・ドライ・マティーニを愛飲されたという。
またエリザベス女王は、昼食前にワインをジンで割ったカクテル(デュボネ)を一杯。ディナー前にはドライ・マティーニを一杯飲まれたそうだ。
ちなみに英国王室御用達のジンは、タンカレーとゴードンだそうだ。
また、ジョン・F・ケネディもタンカレーを愛飲したと言われている。
JFKはタンカレーをどう飲んだのだろう? ドライ・マティーニか、オールドファッショングラスで飲むマティーニ・オン・ザ・ロックか!
ゴードンのジンは知っていたが、多くのブランドがあることやカクテルベースとしての使い方は知らなかった。常飲するようになったのは最近のことだ。夕食の前に妻とジントニックを飲むようになり、二人で飲むジンを選んだ。
やや辛口で、やや淡麗で、やや華やかな香りはロンドン・ドライ・ジンの特徴だが、4回の蒸留でクリアできれのある味わいと洗練された香りのタンカレーを選んだ。グリーンのボトル、赤の紋章と洗練されたラベルに、タンカレーの良さが感じられた。
タンカレーを注ぎ、レモンを絞り、氷を入れてシュウェップスのトニックウォーターを満たす。250mlのシュウェップス一本が、二人で飲むジントニックにミックスするのにぴったりの量だ。これで夕食前の至福の30分。チアーズ!
好きなワインの話
夕食にはワインを飲む。毎晩のことだから、一本1,000円くらいのワインを飲む。肉料理には赤ワイン。ボルドーのバロン・ド・レスタックを飲む。ボディがあって、しっかりした味わいだ。
白ワインはシャルドネ。豪州産のイエローテール。すっきりした飲み心地だ。冷やしたイエローテールは夕食の友!
ワインは飲みすぎないよう、二人で一本までと決めている。ボナペティ!
好きなウイスキーの話
若い時はサントリーオールド(ダルマの愛称があった)の水割りを飲んだ。家ではビールを飲んだので、オールドの水割りはバーで飲んだ。
やがて海外出張の機会が増えると、帰国時に免税店でスコッチウイスキーを買った。3本まで無税で、国内では一本10,000円近かったスコッチウイスキーが3,000円くらいで買えた。オールド・パー、ジョニーウォーカー黒ラベル、バランタイン17年、シーバス・リーガルと色々試したが、好きなブランドはまだなかった。
オールド・パーは吉田茂氏が愛飲したことで有名。吉田学校の流れにあった田中角栄氏も愛飲したという。オールド・パーは宰相のブランドだ!大麦(モルト)とピートモスを使用し、スモーキーフレーバーをつけ熟成させるのがスコッチウイスキー。オールド・パーは、スモーキーフレーバーが際立つスコッチウイスキーのブランドだ。
一方、アメリカではケンタッキー州を中心に、トウモロコシを主原料とし、新しいオーク樽からバニラやキャラメル、メープルシロップのような甘い香りと風味を抽出して熟成させるバーボンウイスキーが多く作られている。
ジム・ビーム、I.W.ハーパー、ワイルド・ターキー、メーカーズマークなど、バーボンのブランドは多士済々だが、中でもジャック・ダニエルはケンタッキー州ではなくテネシー州で作られ、独特のチャコール・メローイング製法で濾過し、テネシー・サワー・ウイスキーと呼ばれ、バーボンウイスキーとは一線を画している。その豊かな香りと甘みのある味わいは、多くの愛飲家に支持されている。
ジャック・ダニエルはフランク・シナトラがこよなく愛し、サミー・デイヴィスJr.、ディーン・マーティンといった“シナトラ一家”が愛飲した。
フランク・シナトラが亡くなった時、ジャック・ダニエルが彼のお棺に納められたという。
ジャック・ダニエルの独特の香りと甘みのある味わいは、オン・ザ・ロックがいい。私はたまにナイトキャップとして飲む。氷が解けていくにつれ変わっていくジャック・ダニエルの味を、ゆっくり味わえるのがいい。
好きな酒とそのブランドは、妻と私をアシストするパートナーだ。
ありがとう!

